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特集コラム 第24回:ご近所獣医師田邊弘子の「犬あれこれ」「手作り食、再考」

近年、飼い主さんの犬の食事に対する意識は、そのほかの飼育に関わる事に対する意識と同じように、かなり向上しています。その結果、犬の食事は、残り物主体から、ドッグフード主体へと様変わりしてきました。

拭いきれない、不透明感?

「犬のエサという考えで、人が食べないようなものを材料にしているんじゃないか」と思われることについてですが、この『人が食べない』という疑問のニュアンスが少々微妙で、答えが2つになります。
1つには、『人が食べないようなもの』イコール『食べると健康を害するから、人が食べない』、このようなもの(例えば、病死した動物の肉など)は、材料には使用されません。
ただ、もう1つの、『人が食べないようなもの』イコール『栄養価が高く、食品として優れている点があるものの、その外見や、嗜好性(好み)や調理の手間などから、人が食べない』、このようなものは、ドッグフードの材料に利用されることが多々あります。
人が、普段口にしないからと言って、それが体に悪いわけではありません。

手作り食への憧れ

「ドライフードは、なんだか味気ないし、やっぱり愛情たっぷりな手作り食がいいわ!」と、考える飼い主さんもいらっしゃるでしょう。
しかし、「今日のお昼の番組で、『○○を食べると体にいい』って、やってたから、ワンちゃんにも食べさせてみようかしら?」というのは、いただけません。せっかくバランスのとれたドッグフードを食べているのに、わざわざそれを減らして、単一の食品を加えるとせっかくの栄養バランスが崩れてしまいます。また、ドッグフードの量を減らさず、更に加えて食べさせると、カロリーオーバーになり、肥満の原因になります。
しっかりとした栄養学に基づいての手作り食が実践できれば問題ないと考えます。ただ、それは非常に難しいことです。

ちょっと、見方を変えて

犬の手作り食に対する研究は、(多分)多くの飼い主さんが想像されているようなレベルでは行われていません。現在、犬の手作り食のレシピとして出回っているものは、ドッグフードの研究データから逆算して作られたものであると思っていただいて間違いないでしょう。そのデータを算出するために、多くの研究者が、飼い主さんたちの愛犬への思いを十分感じながら、日々研究に努めています。ご家庭で、小さなお鍋で作るのと同じ情熱で、工場の大きな釜でドッグフードは作られています。
食事の面倒は確かに愛犬を飼育する上で、大変重要な要素の1つです。しかし、重要だからと言って、それにばかり関わっていては、他の世話がおろそかになりかねません。ドッグフードを利用することは決して手抜きではありません。
信頼のおけるメーカーの、あなたの愛犬にあったタイプのフードを、適量、適切な回数給与することは、理想的な愛犬の食事の1つの形であることは間違いありません。

お台所でガスコンロに向かっていた時間、お散歩やボール遊びに使ってあげたら、あなたの愛犬は、それを素直に喜んでくれると思います、よ。

田邊弘子
日本大学卒業。動物病院での勤務を経て、現在ダイレクトワンの明るい相談窓口として活躍中。犬の食事やしつけに関して一般の人にわかりやすく伝えようとこのコーナーを担当することに。「みなさんと同じ目線でワンちゃんと楽しく暮らせる情報をお届けします」と意気込みを語る。

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