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特集コラム 第26回:ご近所獣医師田邊弘子の「犬あれこれ」「家族の一員だからこそ」

『我家の愛犬は家族の一員』だからとばかり、人と同じ生活をさせると、愛犬にとってはあまり喜べないことも多々あります。

もちろん食事は家族と一緒!

『愛犬も食べたがるし、やっぱり同じテーブルから食べたほうが家族って感じがするし・・・』
食事を何時どのようにとるかということは、犬にとってその群(家庭犬の場合、家族ですね)での、順位付けと深く関わります。先に食べる方が上位となります。一緒に食事といっても、タイミングの問題で愛犬の方が先に食べ始めるようであれば、あなたの愛犬は家族の中で自分が一番上位つまり群のリーダーであると思うようになります。

リーダーの重責!?

自分をリーダーだと思った愛犬は、リーダーとしての責任を果たそうとします。
朝、職場や学校に行こうとする家族に対して、「勝手に群から離れてはイケナイ」とばかり、ワンワン吠える、玄関のチャイムがピンポーンと鳴れば、「侵入者が来た!」と、ワンワン吠える、また、自分のリーダーとしての地位を維持するために、お気に入りのおもちゃなどで遊んでいる際、飼い主さんが近くを通っただけで、取られまいとウーッと唸って威嚇したりするようになります。このような愛犬の状態を権勢症候群(アルファシンドローム)といい、多くの問題行動の原因の1つとされています。

いくら自分をリーダーと思ったとしても、人の社会で暮らす犬がリーダーとしての責任を果たせるわけではありません。このように大きな矛盾を抱えることになる権勢症候群は、犬にとっても大きなストレスになります。
同じテーブルで食事をさせることは、愛犬を権勢症候群に陥らせるきっかけを作る可能性が高くなります。

犬としての幸せ

家族の一員なのだから、家族と同じ扱いをする。だから、食事もお風呂もベッドも家族と全部一緒。これは一見、愛犬のためを思っているように見えます。でも、犬には犬の生理があり、犬には犬の本能があります。そういったものに配慮せず、何でもかんでも人と同じように扱うことは、人の驕りでしかありません。
犬を家族として迎え入れるためには、犬の生理や本能を理解し、犬の尊厳を尊重しつつ人と暮らすためのしつけをして行く、そういった努力が必要となります。

質の面で、人と同じ、これを意識していただければと思います。

田邊弘子
日本大学卒業。動物病院での勤務を経て、現在ダイレクトワンの明るい相談窓口として活躍中。犬の食事やしつけに関して一般の人にわかりやすく伝えようとこのコーナーを担当することに。「みなさんと同じ目線でワンちゃんと楽しく暮らせる情報をお届けします」と意気込みを語る。

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