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ご近所獣医師田邊弘子のよもやま話 第2話「我が家の常識? 世間の非常識!」

「あらあら、やっぱりダメなのね・・・。でも、いつも大丈夫だから、まっ、いいか」ですませていることありませんか? 我が家では、当たり前ですませてしまっていることでも、本当に大丈夫なことでしょうか。

それって普通じゃないですよ

買い物の帰り、目に飛び込んできたのが、道路の真ん中にどっしり腰を下ろすご近所のゴールデン・レトリーバー。『あれ?』と、思うと、その横にはそのゴールデンの飼い主さんであるご近所の奥さんがうずくまっているではないですか。具合でも悪くなったのかと、あわてて駆け寄り「大丈夫ですか?」と声を掛けました。すると奥さん、顔をあげて「大丈夫よ。ちょっと吐いちゃったの」と言う割に顔色もよく元気そう。
「ガム食べさせると、吐いちゃうのよね」
ここまで聞いて、やっと合点がいきました。吐いたのは奥さんではなく、横で申し訳なさそうに座っている(犬用ガムを食べた)ゴールデンだったのでした。愛犬の吐瀉物を片付け終わった奥さん、「ガム食べさせた後、すぐに散歩に出ると、いつも吐いちゃうのよね」と、あっけらかんとおっしゃいました。

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なんとなくな飼育

 犬の飼育というのは、他の種類の動物に比べ、その仕方について家庭ごと違いが大きいように感じます。
例えば、熱帯魚などは、飼育方法が適さないと、共食いしたり、水温の上昇などで、あっという間に全滅してしまいますので、熱帯魚を飼う人は熱帯魚を無事育てるため、飼育書を読み、専門家に質問し、水槽などなどを揃え、適した餌を給与します。そうしないと、飼育自体が始まりませんから。

それに引換え、犬は生命力旺盛で、かつ順応性もあるので、飼い主さんが飼育方法を特に学ばなくても、それぞれの家庭の飼育方法で、まあ、それなりに生活できてしまいます。加えて、一般の飼い主さんの場合、他の家での犬の飼育の様子を知る機会など、そう滅多にないでしょうから、その違いになかなか気づくことができないでしょうし、だからこそ、家庭ごとの違いが出てきやすいと言えます。

慣れの落し穴

こうして犬の飼育方法は、家庭ごとのローカルルールができあがってしまうのですが、それを「うちはうち、なんだから」と漫然と続けてしまうと、愛犬の生活の質を下げてしまうことがあります。
前述の飼い主さんのように、『散歩の前にガムを食べさせると吐いてしまう』のが分かっていながら、(それが、ついうっかりであったとしても)繰り返してしまう、これはあきらかに問題ありです。犬はよく吐く動物で、吐いた後なんの問題も無いかのようにケロッとしていることが多いのですが、だからといって、吐くと分かっていることをさせてしまうのは好ましいことではありません。飼い主さんが『ガムを食べた後散歩にいくと吐く』と思い込んでいるだけで、もしかしたら違う理由で吐いているのかもしれません。
怪しいことは、まず改めてみましょう。改めたことで嘔吐しなくなればそれで成功ですし、改めても治らなければ本当の原因を見つけるきっかけになります。(余談になりますが、食後すぐ運動させると胃捻転を起こす原因になると言われていますので要注意です)

愛犬の健康やしつけの上で問題ある生活習慣(前述の散歩の前のガムに限らず)をなんとなく続けていないか、ぜひこの機会に見直し、「アレ、これってもしや?」ということがあれば、「でも仕方ないし」ですまさず、生活の工夫をするなどしてまずは改めてみていただければと思います。

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田邊弘子
日本大学卒業。動物病院での勤務を経て、現在ダイレクトワンの明るい相談窓口として活躍中。犬の食事やしつけに関して一般の人にわかりやすく伝えようとこのコーナーを担当することに。「みなさんと同じ目線でワンちゃんと楽しく暮らせる情報をお届けします」と意気込みを語る。

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