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ご近所獣医師田邊弘子のよもやま話 第8話「夏をすっきり過ごすには」

毎日暑いですね。こんな暑い時期、湯上りの爽快感は何とも言えません。「愛犬にもお風呂でさっぱりして欲しい」そう思う飼い主さんも多いことでしょう。
私の義父はとってもよく飼い犬の世話をしていました。夏になると「こんなに暑いのではかわいそう」と、せっせせっせと愛犬をシャンプーするのですが…。

義父は人用のシャンプーをたっぷり使って飼い犬の体の隅々まで丁寧に洗い、その後は体に湿気が残っていてはいけないと温風のドライヤーをブォ〜ブォ〜と長々と当ててしっかり乾かします。
するとワンコは翌日には、体のあちこちを足で掻き始めます。咬み崩すほどのモーレツな痒さではないのですが、ちょっと暇があると体のどこかを掻いているという感じです。
それを見た義父、「おや、もう痒くなっちゃったのか!」と、またシャンプーをし、そして翌日にはワンコは暇があればカリカリと体を掻く、というシャンプースパイラルに陥るのが夏の恒例行事でした。

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シャンプーが体に悪い?

犬と人とでは、皮膚の構造が違うため、人用のシャンプーを犬に使うと、皮膚の汚れを落とすにとどまらずダメージを与えてしまうことがあります。そこへ長時間ドライヤーの温風を当てるとさらに皮膚の潤いを奪ってしまいます。このようなシャンプーをしてしまうとワンちゃんはさっぱりを通り越して、お肌ボロボロの状態になってしまうんですね。
皮膚の状態が悪いため少しの刺激等にも反応してムズ痒くなり、カリカリと皮膚を始終掻いてしまうようになってしまいます。それを「汚れがよく落ちていなかったから掻いている」とか「もう汗で汚れてしまった」と勘違いして、皮膚の再生を待たずまたシャンプーをしてしまうと、さらに皮膚へのダメージを与えてしまうことになるという悪循環に陥ってしまいます。

効果的なシャンプーとは

義父の話は、20年も前のことですが、今、もしこのようなお心当たりのある方、まずシャンプーはワンちゃん用のものをご使用ください。ドライヤーの温風を当てる時間を極力減らすためにタオルで十分水分を拭き取りましょう。そして夏場でも、シャンプーの間隔は2週間以上開けましょう。(ということは義父にも言っていましたが、嫁の言うことなんか聞いちゃいない人なので)
日本の夏は、気温が高く湿気が多いため、雑菌やカビなどが皮膚や被毛で繁殖しやすく、またノミ・ダニの活動も活発になりますので、手入れを怠ると皮膚のトラブルを簡単に起こしてしまいます。シャンプーすることは皮膚トラブル予防のひとつの方法として重要なんですが、シャンプーだけしていれば『バッチリ!』とはいきません。
愛犬にさっぱりしてもらえる効果的なシャンプーをするためには、ある秘訣があります。

まずはブラッシング!

ブラッシングは皮膚・被毛のお手入れの基本です。

【シャンプー前の大切な準備としてのブラッシング】
ブラッシングで毛のもつれをほどき、落とせる汚れは落としましょう。同時に皮膚に湿疹や傷などないか確認しましょう。
被毛がもつれたままシャンプーすると、毛が絡まってよく体が洗えないだけでなく、毛玉を作ってしまう原因になります。余分な汚れがついているとシャンプー剤の量もシャンプーの時間も多くなり愛犬に負担がかかります。湿疹や傷を見つけたらシャンプーは中止し獣医師の診察を受けることをお勧めします。
ブラッシングをしばらくサボっていて、毛のもつれも毛玉も汚れもごっそりあって、ブラッシングとシャンプーを一度にするのは愛犬にも飼い主さんにも負担が大きいようなら、前日にブラッシングをすませておくといいでしょう。前日1日では無理そうなら前々日から2日かけるなど、愛犬の忍耐と飼い主さんの時間の余裕に合わせて臨機応変に。

【シャンプー後のさっぱりを長持ちさせるブラッシング】
シャンプー直後、まだ被毛が濡れている時にブラッシングすると、切れ毛等を起こし毛を傷めてしまうので、乾いてからスタイルを整えるためにブラッシングをしましょう。その後、シャンプー後のきれいな状態を長持ちさせるために、定期的にブラッシングしましょう。普段からマメにブラッシングしていれば、シャンプー前に愛犬と格闘しながら大騒ぎでブラッシングする必要はなくなります。
飼い主さんご自身が短髪だったりした場合、ブラッシング自体にあまり関心を持てないことがあるかと思いますが、犬の場合、例え短毛でも、全身毛に覆われていますのでブラッシングは大切なケアとなります。暑い季節、頻繁にシャンプーするより、地味でもブラッシングを欠かさないことが、愛犬の健康に役立ちます。

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田邊弘子
日本大学卒業。動物病院での勤務を経て、現在ダイレクトワンの明るい相談窓口として活躍中。犬の食事やしつけに関して一般の人にわかりやすく伝えようとこのコーナーを担当することに。「みなさんと同じ目線でワンちゃんと楽しく暮らせる情報をお届けします」と意気込みを語る。

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