Net Pocco

  • 獣医師よもやま話
  • 会報誌「Pocco」
  • 犬図鑑
  • 特集コラム
  • 愛犬悩み相談辞典
ドッグフード Home > Net Pocco > ご近所獣医師田邊弘子のよもやま話 > 第13話 誤飲・誤食は飼い主さんの責任

ご近所獣医師田邊弘子のよもやま話 第13話 誤飲・誤食は飼い主さんの責任

食欲旺盛なワンちゃんにとって、食べることは大きな楽しみ。でも、飼い主さんがしっかり注意していないと、その楽しみがとんだ災難の元になることが。

犬を連れた愛犬家が20家族以上集まるバーベキューパーティーに参加しました。デザートのスイカが出される頃になると、ワンちゃんも輪に加わり飼い主さんと遊んだり、ワンちゃん同士で遊んだり、飼い主さんからおやつを貰ったりと和やかに過ごしていました。
そんな中、「あー、おまえぇぇぇ」という男性の声!
そちらを見やると、その男性が差し出したスイカを皮まで一気に頬張るラブラドールちゃんの得意げな顔が目に飛び込んできました。
その男性は多分、スイカの赤い所を一口ワンちゃんに齧らせるつもりで差し出したのでしょう。でも、ワンちゃんはスイカ一切れ全部貰えたと思って「ラッキー」とばかり一気に全部口に頬張ったようです。飼い主さんがいくら「あー」と言っても後の祭りです。そして周囲からは「それは、飼い主が悪い」と大ブーイング。そりゃそうですよね、目の前に出されればそれは全部貰えると思いますよ、犬でも人でも。

イメージ1
タカを括っていませんか

ブーイングの中、飼い主の男性は憮然としていたので、もしかしたら『これくらいのスイカ、皮ごと食べたって最悪でも便がちょっと柔らかくなるくらいのこと』と思われていたかもしれません。スイカが全部、胃まで無事に落ちればそのくらいで済むでしょう。犬は察しのいい動物ですので、『どうやらこれは、全部は貰えないのかも』と飼い主さんの表情から読み取れば、『そうはさせるか』と慌てて丸飲みしかねません。そうなると、塊をのどに詰まらせることだってあり得るのです。
ある夜間救急専門の動物病院の統計では、誤飲・誤食が来院理由の半数以上を占めるとのこと。ケガや急病ではないことに驚かされませんか? 誤飲・誤食は、飼い主さんの不注意、あるいは認識の甘さが原因となる場合が大多数です。

不注意の例と対策

【食事中、愛犬を残してテーブルの上に食べ物を置いたまま席を離れてしまう】
食べ物が目の前にあれば食べてしまう方が当然。愛犬だって、つい魔がさしてしまうのです。食べてしまったものが、例えばネギ類を使ったハンバーグやすき焼きなど、犬に食べさせてはいけないものが入っていたら大変です。テーブルを離れるときは、食べ物をしまう、愛犬をケージに入れるか別の部屋に連れて行くなど、食べ物から愛犬を離す配慮が必要です。

【台所に愛犬が出入り自由】
台所には食べ物が多く保管されているでしょうし、生ごみ用のごみ箱も置いてあることでしょう。それぞれの食べ物をしっかり管理していたとしても、愛犬が自由に出入りできるとそれだけ食べ物に接する機会が増え、誤飲・誤食の確率が高くなります。初めから出入りをさせない方が無難です。また、生ごみ用のごみ箱はしっかり蓋の閉まるもの、愛犬が倒しても蓋が開かないものがいいでしょう。

認識の甘さの例と対策

【冒頭の飼い主さんのように、差し出したものの一部だけ食べさせようとする】
例えば、ソフトクリームを差し出せば、ペロリと舐めずにガブリと口に入るだけ食いつきます。焼き鳥なら串ごと食べてしまいます。竹串は大変厄介で、飲みこんだ勢いで食道や胃を突き破って肺に刺さってしまう場合があります。(こうなると大手術ですよ)飼い主さんの指示をよく守るワンちゃんの場合、なんとなくできそうな気がする、と思う気持ちは分からなくもありませんが、一部だけ食べさせるのは不可能と考えてください。

【食べ物じゃないからと油断する】
犬が誤食したものとして、トウモロコシの芯、モモの種、カニ・エビの殻、堆肥を作っている途中の生ごみ、(肥料の)油粕などがあげられます。人の感覚からすると『それは食べ物ではないじゃない』と思えるものでも、食べ物(っぽい)の臭いがすれば、ワンちゃんは『取り敢えず食べてしまおう!』ということがあります。食べ物の一部だったもの、食べ物っぽい臭いのするものは、食べ物と同じ注意をし、ワンちゃんの口が届かないように管理しましょう。

犬は大変好奇心旺盛で食欲も旺盛な動物です。誤飲・誤食や食べ過ぎを防止するために、愛犬が不用意に食べ物に近づくことができないよう生活環境に配慮しましょう。また、食べ物を与える際は、犬が食べていいものを、食べていい分量だけ、食べ物を食べるのに適した状態で愛犬の目の前に出すようにしましょう。楽しかるべき飲食で愛犬が苦しい思いをしないよう十分ご注意ください。

イメージ2

田邊弘子
日本大学卒業。動物病院での勤務を経て、現在ダイレクトワンの明るい相談窓口として活躍中。犬の食事やしつけに関して一般の人にわかりやすく伝えようとこのコーナーを担当することに。「みなさんと同じ目線でワンちゃんと楽しく暮らせる情報をお届けします」と意気込みを語る。

バックナンバー