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ご近所獣医師田邊弘子のよもやま話

第25話 愛犬との未来予想図

ワンちゃんと飼い主さん家族、それぞれのライフステージが変わると、お互いの関わり方も変わってきます。少し先の未来を想像してみたことはありますか?

とても社交的でいつもいろいろなイベントに誘ってくれるお友達から、とんとお声がかからなくなったので、体でも壊したのかなと心配になって電話をしてみました。
「元気よぉ。え? 外出? そうねぇ、寄る年波かしら、最近は外に出るのが億劫になって、あまり出かけなくなっちゃって〜」と、外出を億劫に感じている人とは思えないくらい元気な声が電話の向こうから聞こえてきました。話好きな彼女の湧き出るようなおしゃべりにお腹が捩れるくらい大笑いしました。ふと気づくと結構な長電話。それでもまだ話足らなそうな彼女に、私から外出を誘ってみました。「そうねぇ、外出もいいわね。でも、今はいいかな」

寄り添いたい気持ち

それに続けて彼女が話すのには、ワンちゃんが高齢になってきて白内障が進み、ほとんど見えていないようなので、ワンちゃんひとりでお留守番させるのが忍びなく、あまり外出しなくなったとのこと。外出することより、愛犬と過ごす時間を優先させる生活を彼女は選んだということですね。
愛犬の白内障に気づき始めたころから愛犬の老化による身体的変化に合わせて自分の趣味の時間を減らすことが必要かもしれないと、漠然とですがあらかじめ想定していたようです。そういう心構えがあったからこそ、実際にそうなったときも自然にその状況が受け入れられたのだと思います。

終生飼養が大前提

犬の生涯、責任を持って飼育することを『終生飼養』と言います。終生飼養とは、単に飼育放棄しなければ達成されるというものではありません。犬の本能や生態、健康状態や老化等に配慮した飼育をしてあげることが大前提となっています。今の時点でそのような飼育ができていたとしても、長い年月の間に、愛犬にも飼い主さん家族にもいろいろな変化が現れます。今とは状況が変化したときでも、愛犬にも飼い主さん家族にもより良い道を選択できるよう、変化に対してどう対応するべきかを予め考えておくことをお勧めします。

ぼんやりで構いません

これからの愛犬との生活にどんな変化が訪れるのか、犬の生涯を踏まえて未来を『ぼんやり』でいいので予想してみましょう。
一つの方法として、目安として5年後、10年後、15年後、そのときの愛犬と家族がどのような状況か想像してみましょう。この際、家族には別居の方、おじいさん・おばあさんや単身赴任中のお父さんや下宿中のお子さん、もしかしたらこれから増えるかもしれない家族も忘れずに勘定に入れましょう。
とにかく起こりそうなことを片っぱしから想像してみましょう。お父さんの転勤があるかも、そのときは単身赴任それとも家族揃って引っ越し? お子さんが小学校に入ったらお母さんはお勤めに出たい? お子さんが結婚して家を出る? お孫さんが増えるかも? おじいちゃん・おばあちゃんの介護が必要になる? 自分の健康は大丈夫? 愛犬が高額な獣医療費のかかる病気にかかる? 愛犬の老化に伴う介護?

できそうな対策は?

起きそうなことを想像したら、ざっくりでいいのでそれらに対してできそうな対策を模索してみましょう。愛犬と家族の人数分要因があるわけですし、それらはいろいろなことが複合して起こり得ます。事前に完璧な対策を講じようとしても無理があります。だからといって、ことが起こるまで何もしないでいると、いざというときに慌てるばかりです。では今できることは何か? それは対策の引き出しをなるべく多く用意しておくことです。
引き出しを増やすためには、普段からアンテナを張り巡らして、役に立ちそうな情報を収集しておくことをおすすめします。手軽な方法としては、ネットで検索してみる、お友達の体験談を聞いておく、もう少し積極的な方法として、各種セミナーに参加してみるといったことがあげられます。

家族にも愛犬にもより良い方法を見つけるためには、あえて『犬』というキーワードにこだわらずに広く情報を集めることがポイントとなります。

田邊弘子
日本大学卒業。動物病院での勤務を経て、現在ダイレクトワンの明るい相談窓口として活躍中。犬の食事やしつけに関して一般の人にわかりやすく伝えようとこのコーナーを担当することに。「みなさんと同じ目線でワンちゃんと楽しく暮らせる情報をお届けします」と意気込みを語る。

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